政経研究会・えん
えんアーカイブ
政経研究会・えんは、当塾の他の会と同じく、どなたでも自由に参加できます。
この会は、次のスタイルを基本とします。
日本経済から国際政治まで、政治経済関係の著作を中心にテキストを決め、テキストについてレポーターに発表してもらいながら、参加者全員で話し合いを進めていきます。
なるべくタイムリーなテーマを取り上げますが、時に臨んで政治経済にかかわる歴史を扱うこともあります。
前回は「日本人のドイツ表象」というテーマで開催しました。レポーターの弘中さんからいただいた広告文をまず掲げます。
【引用開始】
日本人の多く、特にリベラル層にとっての「ドイツ表象(イメージ)」で目立つのは「日本にとってドイツは常に見習うべき存在だ」です。特に「歴史認識」「環境対策」「難民政策」などになると凄まじいまでの「ドイツ上げ、日本下げ」が始まります。
リベラルのこういった風潮に対し、反対・反発する声はごく一部です。今回は、その「反対する側からの声をあえて取り上げます。
2015年に刊行された対談本『膨張するドイツの衝撃―日本は「ドイツ帝国」と中国で対決する』は保守派のドイツ文学者である故・西尾幹二氏と「ドイツ下げ、日本上げ」論調で知られるジャーナリストの川口マーン惠美氏の対談です。
読んでいただけるとわかりますが、2025年現在との世界情勢のズレは大きく、失礼ながらお二人の予想も外れたりしている部分も少なからずあり、適切なテキストといえるかどうかは疑問符がつきます。
また「歴史認識」などでリベラル学者やジャーナリストとどういう対決をしてきたかなどが載っておらず、肩透かしになってしまった面もあります。
しかし、当該書に書かれている2015年当時の事情には、現在の問題の遠因になっている要素が多々含まれ興味深い部分もあったりします。特にドイツの右傾化が目立ち始めたこと、環境対策(特にエネルギー政策)や難民政策が行き詰まり始めたことなどはしっかりと含まれております。
当日はこの本を基本に進めますが、事前に読んでおいていただく必要は、必ずしもありません。この本に書かれていない要素はあまりにも多いので当日は多くの補足説明資料を用意いたします。
音楽や文学、哲学、ヴァイマール文化などへの関心からドイツに興味を持ち始めた方々には申し訳ありませんが、今回は「歴史認識」「環境対策」「難民政策」についての話が中心になります。よろしくお願いします。
【引用終わり】
当日、私(由紀草一)は体調不良のため早退いたしまして、会の報告ができません。記録文書として、弘中さんが2月10日アップしたFacebook記事を以下に掲げます。
【引用開始】
昨日行われました会。詳細は後述しますが、なかなかの盛況でした。
今回、私にレポーターとしての機会を与えてくださった主宰の由紀草一様、活発なご意見をいただいた参加者の皆さまに心より感謝申し上げます。
いろいろな意見が出ましたが、中でも印象に残っているのが…
世界はもう「右と左」ではない。「上と下」だ。
アメリカのトランプ大統領の大統領選勝利、ドイツのAfDやBSWの急台頭、韓国の大統領弾劾反対…。
やり過ぎ左翼が変に「上」になり、日々の生活に追われる「下」から反発される。
そうだよな〜。と思わせる意見がたくさんありました。私の方こそ勉強になりました。
【引用終わり】
次に、弘中さんと司会の藤田さんよりいただいたメールを掲げておきます。
【弘中努より藤田貴也・由紀草一へ、令和7年2月12日】
9日の「日曜会」ではたいへんお世話になりました。
お二人のご理解あったからこそ何とかやれました。
皆さまも協力的でほっとしました。
お礼が遅れましたこと、心よりお詫びします。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
【藤田貴也より弘中努・由紀草一へ、同日】
ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございます。
当日は、時に発表の本論から逸脱したところで話題が膨らんだりということもあり、司会としてもう少し早めに交通整理をしないとなーと思いながら、脱線時も含め、きちんと球を返せる弘中さんの知識量が凄いなーと思っておりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
【引用終わり】
また、弘中さんの苦心が如実に感じられる発表レジュメ(年表付き)を以下に掲げておきます。
