top of page

​言語哲学研究会

シネクラブ 黄昏

< シネクラブ黄昏アーカイブ> 

 

みなさま

 前回(1月12日)の「シネクラブ黄昏」は、菊地一彦さんのプレゼンでオーソンウェルズ監督・脚本・主演の「フォルスタッフ」(原題は「真夜中のチャイム」、1966年)を観て、話し合いました。

 「マクベス」や「オセロ」を映画化したウェルズが、「ヘンリー四世 第一部・第二部」や「ウィンザーの陽気な女房たち」などのシェイクスピア作品から編集・引用して、人気キャラクターのフォルスタッフを中心とした作品に仕上げたもので、彼の代表作の一つに数えられます。

 しかし本作を心から楽しめる日本人はそんなに多くはないのではないでしょうか。ウェルズのフォルスタッフはこの上ないはまり役で、世俗の欲望そのものをあますところなく体現したこの怪人物の、滑稽さと哀れさを見事に表現しています。しかし、この頃のイギリス史もよく知らず、フォルスタッフやハル王子(キース・バクスター)の諧謔やらウェルズや名優ジョン・ギルグッド(ヘンリー4世役)の堂々たるデクラメーション(朗唱術)を味わうほどの英語力もない場合には、観ているのが少々辛くなる怖れがあります。

 プレゼンターによると、これはシェイクスピアというばがでかい題材を基に描かれた壮大なプライベート・フィルムだとのことです。即ち、ハル王子、後のヘンリー5世が、表の世界の権威と秩序を与える実父と、その裏面に潜む悪徳を教える師父の二人に育てられ、やがてその二人を超えて成長していくいく過程から、ウェルズ自身の青少年期を表現しているのだ、と。なるほど、そういう見方もあるのか、と感心しました。

​​​ 次回は以下の要領で実施します。皆様のご参加をお待ちします(この会のルールで、とりあげる作品は当日まで秘密です)。 

               

1 期 日   令和7年6月8日 午後1時30分開場 午後2時開演

2 場 所   きゅりあん​ 4階 第2特別講習室 

  〒140-0011 東京都品川区東大井5-18-1 電話03-5479-4100  FAX 03-5479-4110

 アクセス : JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線 「大井町駅」 徒歩約2分 

        京浜急行線 「青物横丁駅」 徒歩約15分

3 プレゼンター  長沢 靖

4 会 費  1,000円(当日徴収)

                           

きゅりあん.jpg
bottom of page